最北の酒蔵・国稀酒造株式会社/北海道・増毛町/日本酒・酒蔵

MASHIKE TOWN GUIDE HISTORY

増毛に富をもたらし鰊漁。
その経済的発展の軌跡が
今もこの地に色濃く刻まれています。

増毛の名前が残る最も古い記録は、宝永3(1706)年のもの。徳川五代将軍・綱吉の時代に、松前藩が増毛一帯を先住民と交易を行う商場知行地としたことが記されています。その後、宝暦元(1751)年頃から和人が定住しはじめ、漁場を拓いたとされています。幕末には、対ロシア警備のために津軽藩や秋田藩の侍の詰め所となる元陣屋が置かれ、増毛は北方警衛の重要な拠点となりました。秋田藩の元陣屋跡地は現在、増毛町の歴史を学べる総合交流促進施設「元陣屋」となっています。
また、古くから増毛の海は水産資源が豊かなことで知られ、特に明治以降はニシンの豊漁で活況を呈しました。ちなみに「増毛」という町名は、ニシンの群れを追って海一面にカモメが飛び交う様子から、「カモメの多いところ」を意味するアイヌ語「マシュキニ」「マシュケ」が由来とされています。千石場所ともいわれた増毛のニシン漁は町に大きな発展をもたらし、港湾や鉄道の整備が進められ、通りには旅館や商店、豪邸などが建ち並びました。國稀酒造のルーツも明治8(1875)年に創業者の本間泰蔵がニシン景気にわく当地に呉服店を開いたことに始まります。現在、鉄道は廃線になりましたが、今も増毛駅周辺には明治から昭和初期にかけて建てられた建造物が残り、当時の栄華の面影を見せてくれています。