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最北の酒蔵・国稀酒造 > 國稀・特集 > 國稀の美味しさを、創る、守る、育む

KUNIMARE FEATUREINTERVIEW VOLUME _ 02

國稀の
美味しさを、
創る、守る、育む。

職人たちの技と情熱から生まれる、國稀の味わい。

米、水、人が生み出す増毛ならではの味わい。

國稀の造り手のリーダーを務めるのは、杜氏・伊藤良介。酒づくりが始まる季節になると、
岩手県遠野市から駆けつけ、南部杜氏の伝統の技で國稀の味を生み出します。

そして、伊藤杜氏のもとで酒づくりを担うのが、国稀酒造製造部の多くの職人たち。
その一人、管野裕介は主に酒質の分析を担当。國稀の品質を守ります。

一人ひとりがそれぞれのスペシャリティを発揮し、話し合い、協力し、
知識と技術と想いが調和した先に、國稀の美味しさが生まれるのです。

毎年変わる米から、変わらぬ美味しさを生み出す。

國稀の味の基調をあえて表現するなら、“穏やかな辛口”といえるでしょう。

その國稀の味のベースを司るのは、米などの原料と水です。
水は暑寒別岳の伏流水を使用。軟水のなかでも硬度が低めで、酒にやわらかい味わいをもたらします。
一方の米は酒の種類ごとに品種を替えていますが、農作物である米は毎年微妙に品質が異なります。

そこから同じ國稀の味わいを生み出していくのは「とても難しい」と職人たちは口を揃えます。
ポイントとなるのは、酒づくりで最初に行う、米を洗い、水に浸ける、洗米・浸漬の工程です。
「洗米・浸漬を失敗してしまうと、良い麹も造れませんし、
目標の酒質に持っていくことができませんので、最も気を遣います」(管野)。
「米にどこまで水を吸わせるかによって酒の味わいを左右するアミノ酸の量が変わってくるので、
その年の米の品質に応じてコントロールしなければなりません(伊藤)」。

アミノ酸が少なければ、酒は物足りない味になり、逆にアミノ酸が多すぎると、くどい味になります。
最も良いバランスにするために、米の水分量を微調整し、
何度もテストを繰り返す。長年の経験と強い気持ちが必要な作業です。

これからも国稀の挑戦は続いていく。

国稀酒造では國稀を代表するスタンダードな酒のみならず、
つねに新しい酒づくりにも挑戦しています。

近年は天然の乳酸菌を使って酒母を造る「生酛造り」に挑戦中。
「國稀らしい理想の味わいを求めて試行錯誤の連続ですが、
生酛の酒を造れる杜氏は少ないので楽しみです」(伊藤)。

また、酒づくりの奥深さを体感するため、杜氏を入れず、社員だけで酒づくりを行うという試みも。
「製品のコンセプトから、酒質の設計、仕込みの配合、製品のラベルづくり、
そして、販売までを自分たちの手で行い、良い勉強になりました」(管野)。

これからの国稀を支えていく、管野には大きな目標があります。
「すべて増毛産の原料を用いた、ストーリー性のあるお酒を造れたら、と思っています」(管野)。

最後に、伊藤杜氏に国稀の印象とこれからの意気込みを語ってもらいました。

「これまでいくつかの蔵で仕事をしてきましたが、国稀のように地元に信頼され、
たくさんのお客様がお酒を買いに訪れる酒蔵は初めてです。
試飲コーナーでお客様が“美味しい”と言ってくださっている場面を見ると、
何よりうれしく、この仕事をやっていて本当に良かったなと思います。
これからも、まずは地元の皆様に信頼され、愛される國稀の味を造っていきたいと思います」。